就労ビザの基本と取得要件ポイントを解説!

日本における外国人労働者数推移

日本では深刻な人手不足から外国人労働者の需要が増え、在留人数も右肩上がりで増加してきました。特に2014年頃からの増加率が高く、大きな要因は「技能実習」でした。厚生労働省がこのほど発表した「外国人雇用状況」によると、2022年10月末時点で日本で働いている外国人は前年比5.5%増の182万2725人。この1年で9万5000人余り増え、過去最高を記録した。国籍別では、ベトナム、中国(香港、マカオを含む)、フィリピンの上位3カ国だけで100万人を超え、6割近くを占めています。
在留資格別にみると、永住者や日本人の配偶者らを含む「身分に基づく在留資格」が全体で最多の32.7%。芸術や宗教、報道、研究、高度専門職を含む「専門的・技術的分野の在留資格」の26.3%、「技能実習」が18.8%、留学を含む「資格外活動」が18.2%、ワーキングホリデーや経済連携協定に基づく外国人看護師、介護福祉士候補者などの「特定活動」が4.0%でした。「技能実習」生の数は、コロナ禍もあって21年、22年と2年連続で減少しました。しかし、今後も技能実習を含めたいわゆる就労ビザが増加していくことが期待されており、日本政府の方針でも外国人労働者の受け入れを今後着実に増やしてく方向性が示されています。

就労ビザとは?

海外でも多くの国では外国人が就労するには厳格な審査が求められています。日本においても、必ず就労可能な「在留資格」を取得することが求められています。就労ビザという正式用語ではありませんが、日本に必要な優れた知識や技術をもった外国人を受け入れるために用意された在留資格を一般的に「就労ビザ」と呼んでいます。
外国人を雇用するにあたっては、必ず当該外国人が就労可能な在留資格を保持し、かつ貴社で働くにあたり、在留資格該当性があることが必要です。

主な就労在留資格一覧

就労可能な在留資格はほとんどのケースで下記の6つになります。

① 技術・人文知識・国際業務
例:機械工学等の技術者等,通訳,デザイナー,語学講師等
② 技能
例:外国料理の調理師,スポーツ指導者等
③ 経営管理
例:企業等の経営者,管理者等
④ 高度専門職
例:ポイント制による高度人材(高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者)
⑤ 技能実習(改訂予定)
例:技能実習生(技能実習法上の認定を受けた技能実習計画に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動
⑥ 特定技能(改訂予定)
該当例:特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人

技術・人文知識・国際業務のビザを取得する要件

もっとも就労ビザの職種に該当しやすい”技術・人文知識・国際業務”のビザの要件を簡単に紹介していきます。

・仕事内容と大学や専門学校の専攻との関連性
外国人が卒業した大学や専門学校の専攻と関連のある、専門性のある仕事内容かということです。

・外国人の学歴・職歴と職務内容の関連性
上述の学歴がある外国人は、「専攻と職務内容が一致」していれば問題ありませんが、高卒や学歴がない人は就労ビザの認可基準を満たすことが難しくなります。このような学歴のない外国人は「3年以上または10年以上の実務経験」があることが要件になります。

・雇用する会社の安定性・継続性
会社の経営状況が安定していることへの条件はありませんが、外国人に給料が支払える会社であることがポイントになります。
会社の経営状況を確認するために「決算書」を提出するのですが、赤字だからといって就労ビザがおりないというわけではありません。
たとえ現状は赤字であっても、黒字にするためのビジョンを明確に説明することができれば問題ありません。
新設会社の場合は決算書がないので「事業計画書」を提出する必要があります。決まったフォーマットがないので、以下のような内容を盛り込んでください。

・会社と外国人との間に雇用契約がある
外国人の採用をご検討中の企業様でよく見られるのが、採用は決めているけど雇用契約は後回しにしているケースです。就労ビザを申請する際には必ず雇用契約が必要となりますので計画的に当事者同士で準備しておくことが重要です。また、その内容は要件に沿った給与についても明記されている必要があります。

・日本人と同等の給与水準であること
日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが必要です。また,報酬とは,「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」をいい,通勤手当,扶養手当,住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものを除きます。)は含みません。外国人を雇用し、技術人文知識国際業務の在留資格を取得していくためには、外国人が日本人と同等の給与をもらうことが条件となります。外国人だからという不当な理由で、給与を下げてはいけません。

・外国人本人に前科がないこと
よくあるケースでは、日本の大学や専門学校を卒業後に日本の会社に就職し、在留資格を「留学」から「技術人文知識国際業務」に変更する場合、留学で学校に通っているときのアルバイトの時間がオーバーしている場合です。
留学生のアルバイトの時間は週28時間以内と定められておりますが、よくこの時間を守らずに働き過ぎていることがあります。
資格外活動許可の条件に違反して,恒常的に1週について28時間を超えてアルバイトに従事しているような場合には,素行が善良であるとはみなされません。

まとめ

上記のように、就労ビザを取得するためには外国人本人と採用企業側双方がしっかり連携して、各要件を満たしていく必要があります。
就労ビザの申請で一番心配なのが、不認可になることです。特に初めての申請では、「書類作成にものすごく時間がかかった」「時間がかかったのに不認可になった」というケースが多いので、就労ビザの申請が認可される書類の作成方法を熟知している行政書士へ任せるのがお勧めです。申請書類の作成や書類の収集といった手間も割くことができるので、時間の節約にも繋がるのでまさに一石二鳥です。
スムーズに就労ビザの申請から取得までを完了させたいという人は専門家への依頼がおすすめです。

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