帰化申請から取得までのプロセスを解説!

帰化申請を決断したら

外国人の方が日本で生活するためには必ず在留資格が必要となりますが、日本で長い間生活されている方の中には、在留期間の更新手続きを面倒だと感じている方も多いのではないでしょうか?そういった更新の煩わしさを解消する手段として、永住者の在留資格を取得する方法があります。永住者の在留資格は更新手続きをすることなく日本に居続けることができます。しかし、永住者の在留資格を取得するためには原則、10年以上日本で生活をする必要があり、また、あくまで外国籍のままですので、日本国籍保持者に比べると不公平な扱いを受けることも多くあるのも事実です。
あなたが今の日本での暮らしに満足していて、その生活環境を永続的に守って行きたい、と願っているなら日本国籍を取得するのも一つの有益な選択肢となります。
では、外国人の方が日本国籍を取得するには一体何をどこでどうしたら良いのだろう?どれくらい時間がかかるのだろう?この記事に辿り着いたあなたは今、そんなことを考えているのではないでしょうか。そんなモヤモヤを解消するために帰化申請の流れを9つのプロセスに分けて解説していきたいと思います。

何処での答えとしては法務局等で『帰化申請手続き』を行って法務大臣から許可を得ることで取得することができます。どれくらいの時間の答えとしては、平均10ヶ月〜1年ほど見ておくべきでしょう。しかしながら、9つのプロセスを理解しないで帰化申請を進めていくと余計な負荷や時間がかかってしまうことありますので、以下のポイントをしっかり押さえて進めていって下さい。

帰化申請のプロセス一覧

プロセス① 法務局または地方法務局に相談する

必要な書類が国籍や家族構成等によってひとりひとり全く異なってくるため、まず初めに本人の居住地を管轄する法務局または地方法務局を訪問し必要な書類を確認します。これには必ず予約が必要で、法務局によっては2ヵ月先まで予約が取れない場合もありますので早めの予約をお勧めします。
法務局の相談では、日本に来日した経緯から在留資格、家族構成、犯罪歴の有無などを確認されます。そこで要件を満たしていると判断された場合は必要書類を教えてもらえます。法務局によっては予約の電話で要件を確認されるケースもあります。その時点で要件を満たしていないと判断されると、相談を拒否されるケースもあります。ある程度、自分が帰化の要件を満たしているかを確認してから法務局に予約をするようにしましょう。自身が要件を満たしているか不明な場合は行政書士に相談をしましょう。

プロセス② 帰化申請に必要な書類を集める

法務局または地方法務局での相談で確認した必要な書類を集めます。
帰化申請で一番ネックとされているのがこの書類収集です。人によっては100枚以上の書類を必要とすることもあります。中でも一番取得に時間を要するのは本国書類(母国の書類)です。在日大使館で収集できる書類もありますが、本国に足を運ばないと収集できないものもございますのでご注意ください。
この必要書類の収集で挫折する人が非常に多くいます。特に書類の収集方法が分からないため、収集自体を諦めてしまうケースです。法務局では書類の収集方法については教えてくれないので、自力で集めるか行政書士などの専門家に依頼をして集める必要があります。書類が集まらない場合は、特段の事情を除いて免除されることはありませんので、できる限り集めるようにしましょう。

プロセス③ 帰化申請書類の作成

申請先の法務局で書類を入手し必要事項を記入します。申請書や履歴書等、約10枚前後の資料を作成しなければいけない上、その他証明書類と整合性が取れていない場合許可が下りない可能性が高くなるのでこちらも慎重に記載してください。
法務局で渡される申請書は全て手書き用です。修正液は使用できませんのでご注意ください。詳しい記載方法は、法務局から「帰化の手引き」という書類がもらえますので、それを参考に記載しましょう。

プロセス④ 帰化申請書類の点検と受理

法務局に書類点検に行きます。(こちらも必ず予約が必要です) 収集した書類と記載した申請書を法務局の担当官に見てもらいましょう。
※ほとんどの場合、この点検で内容を確認後に必要書類が追加となります。
点検の結果、提出書類に不備がなければ通常この時点で申請が受理されます。
※受理されたからといって許可が下りるとは限りません。

プロセス⑤ 法務局での面接

受理から2~3ヵ月経った頃に法務局から連絡がきて、調査や提出した書類の中の疑問点や過去のこと又現在の状況等を質問されます。質問内容は一人一人異なりますが、事実を話せば特に問題はありません。ちなみに、日本に住む配偶者等の家族がいる場合は一緒に面接されます。
帰化申請人とその配偶者の面談は別々の部屋でおこなわれます。配偶者が日本語を理解できない場合は、通訳者を一緒に同行させる必要があります。

プロセス⑥ 近隣調査・家庭訪問・職場訪問・職場調査

法務局の職員から申請者の勤務先や学校に在籍確認の電話が入ることがあります。場合によっては実際に自宅等に訪問してくることもあります。訪問される場合は事前に日付を指定されます。
※特別永住者の場合これらは原則免除となっております。

プロセス⑦ 法務省への書類送付

法務局の担当者が条件を満たしていると判断すると書類は法務局から法務省に送られます、最終的には法務大臣によって許可不許可の決定がなされます。

プロセス⑧ 許可または不許可の決定

許可の場合→官報に名前が掲載され、後日法務局の担当者から電話があります。
不許可の場合→不許可の通知が届きます。
※申請から結果が出るまで10カ月~1年以上かかる場合もあります。

プロセス⑨ 法務局に出頭

電話で指定された日時に法務局に出頭して手続きは終わりとなります。
その際に法務局から帰化に係る書類がもらえますので、市役所に持参すると戸籍が編製されます。在留カードは住所地を管轄する入国管理局に返却が必要です。
以上が帰化申請の流れとなります。この流れで日本国籍を取得することができます。
※日本国籍を取得した後にも戸籍やパスポート等いくつか必要な手続きがあります。

帰化認可が無事おりても気を抜くな

許可が下りて「身分証明書」が発行されたら、1か月以内に「帰化届け」を提出しなければなりません。また同じタイミングで、14日以内に「在留カード」「特別永住者証明書」を返納しなければなりません。思ったよりも各期限が短くなっていますので、気を抜かないで最後の最後までプロセスをしっかり実行していきましょう。

プロセス①「官報」に掲載される
帰化申請の許可が下りたら、「官報」に申請者の氏名・住所・生年月日が掲載されます。
「官報」とは、毎日更新される国の機関紙であり、インターネットで内容を閲覧することができます。

プロセス② 法務局より「身分証明書」が交付される
「官報」での発表後、法務局から連絡が来て、許可が下りた旨を告げられます。
その後、法務局を訪問する日時を予約し、「身分証明書」を受け取ります。

プロセス③ 市区町村の役所に「帰化届け」を提出する
帰化許可が下りてから、1か月以内にお住いの市区町村の役場にて「帰化届け」を提出する必要があります。その際、「5-2.【STEP2】法務局より「身分証明書」が交付される」で入手した、「身分証明書」(原本)も提示しましょう。

プロセス④「在留カード」「特別永住者証明書」を返納する
また、お手元にある「在留カード」もしくは「特別永住者証明書」を、出入国在留管理局へ返納する必要があります。期限は、帰化許可を得てから14日以内です。
予想以上に期間が短いので、うっかりしないように注意しましょう。
返納方法は、直接窓口へ持参するか、郵送でも可能です。

まとめ 

いかがでしたでしょうか。今回は、帰化申請のプロセスについてご紹介してきました。
帰化申請では全部で9つのプロセスがあり、さらに帰化許可が下りたあとに、別の4つのプロセスを期限内にこなさなければならないことを理解していただけたと思います。
申請中の9つのプロセスを終えるまでの時間は、平均して10か月~1年です。帰化申請を決断された方は、しっかりした計画を立てた上で申請作業を進めて下さい。もし申請を始めるにあたり不安や質問を相談したいと感じた方は帰化専門の当事務所で無料相談を受けてみては如何でしょうか。どんな些細な事でも気軽に相談下さい。お待ちしております。

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