帰化の申請条件ポイントを解説! 

1.帰化とは

そもそも、国籍とは何なのでしょうか。人が特定の国の構成員であるための資格のことです。国家というものが成立するためには、国の領土と国民の存在が不可欠なので、国籍という概念は、どこの国にもあります。しかし、どの範囲で構成員をその国の国民として認めることにするかは、その国の歴史、伝統、政治・経済情勢等によって様々です。そしてそれぞれの国が自らその条件を決定することができます。その点、国が、ある個人について他の国の国籍を有するかどうかまでは、決めることが出来ません。

帰化とは、その国籍を有しない者(外国人)からの国籍の取得を希望する旨の意思表示に対して、国家が許可を与えることによって、その国の国籍を与える制度です。日本では、帰化の許可は、法務大臣の権限とされています。
法務大臣が帰化を許可した場合には、官報にその旨が告示されます。帰化は、その告示の日から効力を生ずることとなります。

2.帰化の種類

一言で帰化と言ってもいくつか種類があり、以下の3種類に分類されています。

普通帰化

外国で生まれ、日本への留学や就労、日本人との国際結婚を機に来日し、一定期間以上日本に居住し、今後も日本でずっと住んでいくにあたり、日本国籍を取得したいという方が帰化をするパターンでその条件は以下に記載しています。

簡易帰化

日本と特別な関係を有する外国人(日本で生まれた者、日本人の配偶者、日本人の子、かつて日本人であった者等で、一定の者)については、帰化の条件を一部緩和しています(国籍法第6条から第8条まで)。帰化の条件は緩和されますが、収集する書類の量は変わりません。むしろ特別永住者の方などは、一般の外国籍の方が帰化するより集める書類は多くなります。簡易帰化の条件詳細は別の記事で解説します。

大帰化

大帰化とは、国籍法9条にある「日本に特別の功労のある外国人については、国会の承認を得て、帰化を許可することができる」というものです。日本に特別の功労のある外国人は普通帰化の要件を満たしていなくても日本国籍を取得できます。ただし、今まで大帰化がされたケースは一度もありません。

3.帰化の一般的な条件

帰化の一般的な条件には、次のようなものがあります。
これらの条件を満たしていたとしても、必ず帰化が許可されるとは限りません。これらは、日本に帰化するための最低限の条件を定めたものです。一人の人間の国籍が変わる申請ですから、帰化申請はとても大掛かりな手続きです。そして幅広い条件の全てを満たす必要があり、帰化の要件を確認し、滞りなく必要書類を収集し、各申請書は不備なく完成させなければなりません。

1住所条件(国籍法第5条第1項第1号)


 帰化の申請をする時まで、引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。なお、住所は、適法なものでなければなりませんので、正当な在留資格を有していなければなりません。

2 能力条件(国籍法第5条第1項第2号)

 年齢が18歳以上(注)であって、かつ、本国の法律によっても成人の年齢に達していることが必要です。

3 素行条件(国籍法第5条第1項第3号)

 素行が善良であることが必要です。素行が善良であるかどうかは、犯罪歴の有無や態様、納税状況や社会への迷惑の有無等を総合的に考慮して、通常人を基準として、社会通念によって判断されることとなります。

4 生計条件(国籍法第5条第1項第4号)

 生活に困るようなことがなく、日本で暮らしていけることが必要です。この条件は生計を一つにする親族単位で判断されますので、申請者自身に収入がなくても、配偶者やその他の親族の資産又は技能によって安定した生活を送ることができれば、この条件を満たすこととなります。

5 重国籍防止条件(国籍法第5条第1項第5号)

 帰化しようとする方は、無国籍であるか、原則として帰化によってそれまでの国籍を喪失することが必要です。なお、例外として、本人の意思によってその国の国籍を喪失することができない場合については、この条件を備えていなくても帰化が許可になる場合があります(国籍法第5条第2項)。

6 憲法遵守条件(国籍法第5条第1項第6号)

 日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張するような者、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような者は帰化が許可されません。

7 日本語能力の要件  

 具体的には、日本の小学校3〜4年生くらいの能力があれば問題ありません。審査官が面談をして、明らかに日本語が流暢であればテストなしで通過できますが、判断が難しい場合はテストが行われることがあります。

 なお、日本と特別な関係を有する外国人(日本で生まれた者、日本人の配偶者、日本人の子、かつて日本人であった者等で、一定の者)については、上記の帰化の条件が一部緩和されています。

4.まとめ

帰化の条件は、上述の通り、全部で7つあります。あまり多くはありませんが、全てを満たすのはなかなか難しいことです。また、帰化申請の条件は大まかに決まっていますが、許可・不許可の要因はケースバイケースと言えます。全ての条件を満たしていることを示すために、人によっては100枚以上もの書類が必要になることもあります。
予算に余裕がある方には専門家へ相談することを強くお勧めします。皆様の現状お一人お一人で対応が異なってくるため親身に相談に乗ってくれると思います。当事務所でも帰化専門で業務を行っておりますので、お一人お一人の現況をヒアリングさせて頂き、帰化の要件を満たしているか、どのような書類が必要か、どのように帰化申請を進めていけばいいかをアドバイスさせて頂きます。

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