在留カードを紛失するリスク
今回の記事では、誰でも何度か経験することのある、お財布等を無くしてしまい一緒に入っていた免許証等の証明証やクレジットカードも全て紛失しまった時の対応を解説したいと思います。ここでは、企業が採用した外国人スタッフが在留カードも紛失してしまった場合の対応を見ていきます。
紛失した外国人スタッフが、在留カードの携帯義務について意識が低く、再発行の手続きをすぐに行わないリスクもありますので、採用企業の担当者から外国人社員に対して事前に在留カード携帯義務の重要性を説明しておくと良いでしょう。また、永住ビザの所有者であっても、16歳以上の外国人は在留カードの携帯義務がありますのでこの点もご留意ください。
在留カードの携帯義務が免除されるケース
申請フローや再発行に必要な書類の説明をする前に、参考として在留カードの携帯義務が免除される場合はどんな時なのかを理解しておきましょう。
- 在留期間更新等で一時的に取次行政書士に在留カードを預ける場合 (在留カードを預けていることを証明する預かり証所持すること)
- 16歳未満の場合
- 特別永住者の方で、特別永住者証明書を所持している方(入管特例法第十七条4項)
ここで、注意する点は、企業は在留カードを預かってはいけません。外国人社員から取り上げるのは当然認められていませんが、好意で預かってあげることも、やってはいけない行為に当たる可能性があります。これは外国人社員から保管をお願いされた場合も同じです。知らずにうっかり預かってしまう場合もあるので、気を付けましょう。技能実習生の旅券や在留カードの取り上げが不正行為として出入国在留管理庁に摘発された事例もあります。
紛失に気づいたらすぐに対応することが必要
本人及び本人から相談のあった企業担当者の初動ですが、まず最寄りの警察署で遺失届や盗難届をしてください。後日、遺失届受理証明書等を入管へ提出する必要があります。
出入国在留管理庁HPより出典
在留カードの紛失,盗難又は滅失等をした場合には,その事実を知った日(海外で知ったときは再入国の日)から14日以内に再交付を申請してください。
申請できるのはご本人、法定代理人、申請取次の資格を有する行政書士等です。14日以内と時間がありませんので、仕事等で本人が申請に行く時間を作れない場合は、資格を持った行政書士に依頼することも検討すると良いでしょう。
再発行手続きのステップ
ステップ1 最寄りの警察・交番に紛失届を提出
まずは近くの警察に速やかに届け出ます。在留カードを拾った人が悪用してしまう事も考えられますので、気づいたら「すぐ」に行動しましょう。
ステップ2.住居地を管轄する入管へ再交付申請
警察署で貰った遺失届出証明書等を持って、本人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で再交付申請を行います。例えば、東京都内に住んでいる場合には東京出入国在留管理局へ再交付申請を行うことになります。
<在留カード再交付申請時の必要書類>
- 在留カード再交付申請書
- 顔写真(縦4㎝x横3㎝)
- 所持を失ったことを証する資料(遺失届出証明書等)
- パスポート
- 提示できない場合はその理由書
- 資格外活動許可書を提示(交付を受けている者)
- 身分を証する文書等の提示(申請取次者の場合)
- 特別永住者証明書再交付申請書(特別永住者の方)
。受付時間は平日9:00~12:00、13:00~16:00ですが、受付の曜日・時間が設定されているところもありますので、ご確認されてから申請に行くことをおすすめします。
よくある質問
Q 本人以外の再交付申請は可能?
A 本人以外にも、再交付申請を行うことが可能です。
一例をあげるとすれば、以下の通りです。
- 本人と同居する16歳以上の親族(本人が16歳に満たない又は疾病等)※申請人との関係を証明する資料(住民票等)、診断書等が必要です
- 取次行政書士、弁護士
- 申請人本人の法定代理人等
- 申請取次の承認を受けている企業の担当者
Q 再交付にかかる時間は?
A 再交付は入管にて、当日中にできます。
慌てず、一つ一つ落ち着いて手続きをしましょう。受付時間は9時~16時です(地域によって12時~13時対応不可の場合あり)。例年、入学や入社手続きが増える3月頃は入管の窓口が大変混み合いますので、時間に余裕を持って向かいましょう。在留カードが即日で交付されず、後日改めて在留カードを受領するときは、次の書類の提出が必要です。
- 申請受付票
- 旅券
- 身分を証する文書等の提示
Q 再交付の手数料はいくら?
A 紛失、盗難、滅失等の理由による在留カードの再交付に手数料はかかりません。
また、著しい毀損、汚損、ICチップの記録の毀損を理由とする在留カードの再交付にも手数料はかかりません。ただし、毀損等の場合以外で在留カードの交換を希望するときには、1,600円の手数料がかかります。
Q 紛失した場合は何を携帯するべき?
A パスポートを携帯しましょう。
在留カードを携帯していれば、通常パスポートを携帯する義務はありません。ですが、紛失に気が付いた後はパスポートを携帯することをおすすめします。警察に在留カードの提示を求められたときに、パスポートで身分を証明できないと問題になる可能性があるからです。在留カードの提示を求められたときは、在留カードを紛失したことや再交付申請中であることを説明しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。日本人でもよくあることなので、企業が採用した外国人スタッフにも発生するリスクは相当高いと言えるでしょう。最初にお話した通り、最も多いのは他の貴重品と一同に紛失することが多いので、本人も企業担当者もどうしていいか戸惑ってしまいがちです。そんな時は、ご本人に代わって申請を取り次ぐことができる、申請取次行政書士に再交付申請を依頼することご検討ください。14日以内の再交付申請を全て面倒見てくれます。当事務所でも受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。
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